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第4話

Auteur: 青鳥
一夜の恋に耽った大介は翌日の昼になってようやく帰ってきた。

私が居間にいるのを見て、ネクタイを緩めながら説明した。「昨日、会社で急な用があって、処理してきたんだ」

私は冷ややかにコーヒーカップを置いた。

澄んだ音が張り詰めた空気を作り出す。

「聞きたいんだけど、私のヨガスタジオの生徒、桜井さんとあなた、どういう関係?どこまで進んでるの?」

男は証拠を突きつけられる前は、たいてい頑として認めない。

彼も例外ではなかった。

「無茶苦茶な疑いは止めてくれ。昨日初めて会ったばかりだろう。どこまで進むっていうんだ」

そう言いながら、話題を変えようとした。「お前こそ説明すべきだろう。彼女が言わなければ、お前がヨガスタジオでそんなことをしてるなんて、今でも知らなかったんだぞ!!」

「大介、説明することは全て話したわ。夫婦でこれだけの信頼もないなら、もう終わりにしましょう」

私の言葉に、彼はようやく態度を和らげた。

「分かった、もう言わない。だからそのヨガスタジオを閉めてくれ」

曖昧な態度で階段を上ろうとする彼を、私は呼び止めた。

「この契約書にサインしてくれたら、あなたと桜井さんが潔白だと信じるわ」

私は書類を彼の前に投げ出した。

「婚姻内誠実協定?」

「そう、私たちの婚前契約の補足よ」私は淡々と言った。

その中には、夫側が婚姻中の精神的および肉体的な不貞行為を一切しないことを保証する条項があった。

違反した場合、私の両親が約束した婚姻支援としての16億円の持参金は無効となる。

大介は読み終わると、表情が一気に暗くなった。

昨日の桜井の「演技」の後、きっと私のバックグラウンドを再調査したはず。

生来疑り深い彼は、なかなか本当の安心を得られない人間だ。

今日態度が軟化しているのは、おそらく何か情報を掴んでいるからだろう。

私の両親は今月末に南アフリカから帰国する。

この契約書にサインしないということは、後ろめたいことがあるということ。

私の性格なら、その場で離婚を切り出すはず。

でも、もしサインして桜井との件がバレたら、この16億円の投資は水の泡だ......

躊躇している彼を、私は嘲るように言った。「大介、まさかサインできないの?」

私は愛原家が資金を急いでいることを知っていたから、自ら持参金を携えて嫁ぐことで、その穴を埋め
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